眠いのに眠いと言えない。頑張っているのに、頑張っているように見えない。
眠気の原因は、怠けじゃない
精神科の薬の中には、眠気という副作用があるものもある。これは医学的な事実であって、私の意志が弱いわけではない。処方された時間に飲んだあとに午後の眠気が来ても、それだけで原因を薬と決められるわけではない。
それなのに、周りからは「だらけている」「やる気がない」と見られることがある。説明すれば分かってもらえる人もいるけれど、毎回説明するのは疲れる。
通所の疲れは作業量ではなく、人の密度から来るに書いた通り、説明しにくい疲れほど軽く扱われやすい。眠気もそのひとつだ。
眠いことを言えない空気
作業中に居眠りをすることは、たいていの場所でタブーとされている。でも、薬の影響でどうしても眠くなる人にとっては、「我慢する」こと自体が無理な場合がある。
音への敏感さから環境調整を考え始めた人の話は、作業中にイヤホンを使っていいか、聞けないまま数ヶ月が過ぎたにもあります。
眠いと言えば「大丈夫?」と心配される。心配されることで余計に自分が場違いに感じる。言わなければ怠けていると思われる。どちらを選んでも苦しい。
この空気の中で、私はコーヒーを飲んだり、目薬を差したり、椅子の上で姿勢を変えたりして、なんとか眠気をごまかしている。
戦っても、勝てない
眠気と戦おうとして、いろいろ試した。コーヒーを増やす、冷たい水で顔を洗う、席を立って歩く。効果は一時的で、30分後にはまた同じところに戻る。
戦っても勝てないなら、戦わない方法を探す方が現実的なのかもしれない。眠気が来ることを前提に、午前中に集中力が必要な作業を任せてもらう。午後は比較的単純な作業にする。
週何日通えれば、ちゃんとしていることになるのかに書いた通り、自分のペースを守ることが大事だと思う。眠気もその一部として受け入れる。
場所側にも、できることがある
休んだ日の扱いで、事業所との相性が見えるに書いた通り、事業所側の理解のあり方は利用者にとって大きい。眠気についても同じだ。
「薬の影響だから仕方ない」とあらかじめ伝えておけば、黙認してくれる場所もある。逆に、厳しく指導してくる場所もある。相性の問題だと割り切ることはできるけれど、実際に経験すると、そう簡単ではない。
理想は、眠気を咎めるのではなく、眠気が来ても安全に過ごせる環境を用意してくれること。でも、現実はそこまで進んでいない場合が多いのも事実だ。
眠気を、相談する材料にする
眠気が出る時間、前夜の睡眠、薬を飲んだ時間、困った作業を短くメモしておく方法もある。これは原因を自分で判定する表ではなく、処方医や薬剤師に伝える相談の手がかりだ。薬を自己判断で中止したり、量や服薬時刻を変えたりせず、心配があればPMDAの案内にあるように処方医か薬剤師に相談する。
PMDAは、眠気などの副作用が起こりやすい薬の服用中は、運転のほか、危険を伴う機械の操作や高所作業をしてはいけないと案内している。薬が原因かを記事から決めつけず、勤務中の眠気で作業が難しい場合はその場面を職員にも伝える。眠気を隠したまま危険のある作業を続けず、どうすれば安全に作業できるか相談する。
同じ午後を過ごしている人へ
作業中の眠気に悩んでいる人は、怠け者でもやる気がない人でもない。眠気の原因が分からない日にも、それと付き合いながら、通所を続けている強い人だ。
眠気を消すことはできないかもしれない。でも、眠気が来ることを隠さなくていい環境を探すことはできる。一度で見つからなくても、探し続ける価値はあると思う。
今日も眠かった人は、おやすみなさい。明日は、もう少しだけましになりますように。