制度の追い風が、自分にはプレッシャーとして届く日がある。

求人が増えるかもしれない期待と、応募する怖さ

求人が増えること自体は、たぶん悪いことではない。選択肢が増えるなら、今の通所だけで閉じなくていい可能性も出てくる。

それでも、求人票を見るだけで怖くなることがある。仕事内容より先に、通勤できるか、昼食の場所はあるか、トイレに行きやすいか、会議や電話がどれくらいあるか、体調を崩したあと戻れるかが気になる。

求人があることと、自分がそこで続けられることは同じではない。応募ボタンの前に、生活の細かい不安がいくつも並んでいる。

「短時間なら大丈夫でしょ」が一番こわい

短時間勤務ならいけるでしょ、と言われると、うまく返せない。たしかにフルタイムより短い。数字だけ見れば、負担は小さく見える。

でも、働く時間の外にも、支度、移動、緊張、昼食、帰宅後の反動がある。週10時間や週20時間という数字には、その前後の消耗が入っていない。

短いなら簡単、ではない。短いからこそ、その時間に合わせて体調を整える緊張がある。大丈夫と言い切れない自分を、怠けとして扱わないでいたい。

通勤、トイレ、昼食、会議、欠勤後の戻り方

私が怖いのは、働くことそのものだけではない。毎朝同じ時間に出られるか。電車やバスで消耗しないか。トイレに行きたいときに行けるか。昼食を誰かと一緒に取らなければいけない空気がないか。

会議で急に話を振られないか。電話対応が続かないか。体調を崩して休んだあと、『また休む人』として見られないか。そういう細かい場面が、頭の中で先に並ぶ。

制度の話を聞いているはずなのに、考えているのは生活の場面ばかりだ。でも、働き続けるかどうかは、たぶんその生活の場面で決まってしまう。

A型を出たい気持ちと、支援を失う怖さ

A型やB型にいると、いつか次に進みたい気持ちが出てくることがある。今の場所が嫌いだからではなく、このままでいいのかと考える日がある。

でも、出たい気持ちと同じくらい、今の支援を失う怖さもある。相談できる人、作業の見通し、休める空気、体調を知ってくれている人。その支えがなくなるように感じると、一般就労の話は急に遠くなる。

進みたいと言うことは、今の事業所を否定することではない。けれど、そう受け取られないかと考えて、言葉が喉で止まる。

切り出すときの怖さの側面だけを取り出したのが、A型から障害者雇用を考えたい、と言うのが怖いです。

制度の話は、責められている話ではない

本当は、雇用率の話は私を責めるための話ではない。令和8年7月以降、民間企業の法定雇用率が2.7%になり、対象事業主の範囲も37.5人以上になる。週10時間以上20時間未満の一部の障害者の算定や、週20時間以上30時間未満の精神障害者の算定特例もある。

ただ、その説明を読んでも、『だからあなたも行けるよね』に聞こえてしまう日がある。制度の追い風が、自分にはプレッシャーとして届く日がある。

そう受け取ってしまう自分を責めなくていいと思う。制度の事実と、自分の不安は別の層にある。どちらかを消さなくてもいい。

まず相談メモにしてみる

すぐ応募するかどうかを決める前に、相談メモにしてみる。通勤で崩れやすい。トイレに行きやすい職場か不安。昼食や休憩の過ごし方が気になる。欠勤後の戻り方を先に確認したい。

『働きたくない』ではなく、『続く条件を確認したい』と書いてみる。『一般就労は無理』ではなく、『いきなり支援が切れる感じが怖い』と書いてみる。

メモにしたからといって、すぐ次へ進まなくていい。けれど、怖さが少しだけ形になると、支援員さんや相談先に渡せる言葉に近づくことがある。

制度として読み直したいとき

制度の細かい話は、このサイトで長く説明しすぎない方がいいと思う。ここは、ニュースを聞いた側の気持ちを置く場所だからです。

雇用率2.7%、短時間勤務、支援機関、合理的配慮を制度として整理したいときは、就労アトラスの障害者雇用率2.7%の準備ガイドへ進めます。

このサイトでは、チャンスと言われても怖い、求人が増えても自分に合うか分からない、というところから始めます。その気持ちは、制度を理解していないから出るものではなく、自分の生活をちゃんと知っているから出るものかもしれません。

雇用率のニュースのあとに続く細かい不安は、短時間勤務なら大丈夫、とは簡単に言えない求人が増えても、自分に合う場所かはまだ分からない働き始めたら支援が終わる、と思うと怖いに分けて書きました。どれも答えを出す話ではなく、怖さをそのまま置くための文章です。

制度の再編の話として、閉鎖や転換という言葉を聞いたときの受け取り方は、A型事業所の閉鎖ニュースを、通っている側でどう読むかに分けて書きました。

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