在宅にしたい理由は、通所が嫌いだからだけではない。通えているように見える日にも、回復まで含めると重い日がある。

通所できている人ほど、しんどさを言いづらい

通所できていると、困っていない人に見える。毎日ではなくても、決まった日に来られて、席に座れて、作業もある程度できている。外から見ると、それは安定に見えるのかもしれない。

でも、通えていることと、楽に通えていることは違う。朝から体力を使い、移動で神経を使い、人の中で表情を整え、帰ってから何もできなくなる。そこまで含めると、通所は作業時間だけの負担ではない。

だからこそ、通えている人ほど「在宅にしたい」と言いづらい。通えていない人の方が大変なのではないか。自分はまだましなのではないか。そう考えて、しんどさを自分の中に戻してしまう。

通所が嫌いなのではなく、回復まで含めると重い

通所の負担は、作業所にいる時間だけでは終わらない。帰宅してから横になる時間、翌日に残る疲れ、休日が回復だけで消えていく感じも含めて、ひとつの通所日になる。

作業そのものはできた。大きなトラブルもなかった。だから問題ないように見える。でも、その日の夜に食事も風呂も後回しになり、次の日の朝まで重さが残るなら、それはやっぱり負担として見ていいと思う。

在宅にしたい理由は、通所先を否定するための言葉ではなく、回復まで含めた生活を守りたいという言葉かもしれない。

在宅にも孤立と相談しづらさがある

ただ、在宅だけで全部が軽くなる、とも思わない。家は静かで安心できる一方で、人との接点が減る。小さな不安をその場で聞けないまま、ひとりで抱えてしまうこともあると思う。

通所なら、表情や空気で気づいてもらえることがある。作業の合間に短く聞けることもある。在宅では、その一言をチャットや電話にする必要がある。相談の形が変わるだけで、急にハードルが上がることがある。

だから、在宅は正解で通所は間違い、という話ではない。どちらにも助かる部分があり、どちらにも見えにくいしんどさがある。

通所には、リズムと支援接点という意味もある

通所には、たしかに意味がある。朝起きる理由になる。生活リズムが少し整う。職員さんと顔を合わせることで、状態の変化に気づいてもらいやすくなる。

家にいるだけでは崩れてしまうリズムを、通所が支えている人もいると思う。自分でも気づかないうちに、誰かに見守られていることが支えになっている場合もある。

だから、通所を全部なくしたいわけではない人もいる。通所の意味は分かっている。でも毎日は重い。そういう中途半端に見える気持ちこそ、言葉にしづらい。

二択ではなく、中間地点を探す

本当は、通所か在宅かの二択だけではなく、そのあいだを探せたらいいのだと思う。週の一部だけ在宅にする。午後だけ通所する。静かな席にする。休憩の取り方を変える。作業内容を少し調整する。

それが制度上、事業所上、いつでも可能とは限らない。だからこそ、簡単に「こうすればいい」とは言えない。でも、二択しかないと思うと、どちらを選んでも自分を責めやすくなる。

在宅にしたい気持ちと、通所に残る意味は、同時にあっていい。どちらか一方を正解にしなくても、自分に必要な中間地点を探していいはずだと思う。

困りごとを言葉にする

合理的配慮という言葉は大きい。でも、最初から立派な申請文を作る必要はないのだと思う。まずは、何に困っているのかを小さく分けることから始まる。

移動で疲れるのか。人の声で集中が切れるのか。休憩室がつらいのか。急な声かけが重いのか。帰宅後に生活が止まるのか。診断名だけではなく、日々の困りごとを言葉にすると、相談の入口が少し見えやすくなる。

制度やA型/B型の違いを整理したいときは、研究ハブの就労アトラスのような場所で確認するのもひとつの手だと思う。このサイトでは、その手前にある言いづらさを残しておきたい。

制度判断は公式・相談先へ

在宅利用や合理的配慮が実際にどう扱われるかは、事業所、自治体、本人の状況によって変わる。ここで書けるのは、制度の結論ではなく、通っている側の感覚だけだ。

具体的な判断は、自治体、相談支援専門員、事業所、主治医などに確認した方がいい。厚生労働省の障害福祉サービスや障害者雇用に関する資料も、全体像を知る手がかりになる。

ただ、相談先に話す前に、自分の中で「何が重いのか」を少しだけ言葉にしておく。その準備だけでも、黙って飲み込むよりは自分に近い選択になる気がする。

次に読むエッセイ

通所できている人ほど言いづらい気持ちは「通所できている人ほど、在宅にしたいと言いづらい」に、在宅の安心と孤立は「在宅は楽なのか、それとも孤立しやすいのか」に分けて書いた。

通所の疲れが作業量ではなく人の密度から来る感覚は通所の疲れは作業量ではなく、人の密度から来るに、休んだ日の扱いで見える相性は休んだ日の扱いで、事業所との相性が見えるに、合理的配慮をお願いする前の言葉の作り方は合理的配慮をお願いする前に、困りごとを言葉にするに、それぞれ分けて置いている。

どれも答えではない。ただ、言えなかった気持ちを少しずつ分けて置いておくための文章です。

在宅通所A型事業所B型事業所就労継続支援合理的配慮モヤモヤ