「ひとりで頑張ってね」ではなく、「月1回、様子を見ますよ」。この違いは、思っているより大きいのかもしれない。

制度を、生活の言葉で言い換えるなら

説明を読むと、就労定着支援は、福祉サービスを利用して一般就労した人が、その職場で働き続けるための相談や調整をしてくれるサービスらしい。障害福祉サービスを利用して一般就労し、半年が経過した人が対象になる。

生活の言葉にすると、「月1回以上、顔を見て話を聞いてくれる人が、最長3年ほど残る」ということになるらしい。企業との間に入ってもらえる場面もあるらしい。

細かい条件や手続きは厚生労働省の就労定着支援の実施についてを見た方が正確だ。ここでは、それを使う側の気持ちだけを置いておきたい。

「まだ大丈夫です」と言わないために使う

こういう制度を使うとき、一番高い壁は制度そのものじゃない。「使う」という行為が、「まだ大丈夫じゃない証拠」に感じられることの方だと思う。

でも逆に考えてみると、定着支援を受けていることは、「ちゃんと続けるための手当てをしている」という事実でもある。体調管理と同じで、続けるための道具のひとつに過ぎない。

使うかどうかは自由だと思う。ただ、「使わなかったから失敗した」と後悔する形だけは、避けられるかもしれない。

「大丈夫」の見え方で困りごとが埋もれる感覚については、通所できている人は、元気な人ではないにも書きました。来れている人ほど、相談の窓口から遠くなりやすいのだと思います。

すぐに使えるとは限らない現実

一方で、この制度は地域によって事情が違うらしい。実施できる事業所の指定が進んでいる地域と、そうでない地域がある。今お世話になっている事業所がそのまま受け入れてくれるとは限らない。

それでも、別の実施事業所を紹介してもらえる場合もあるらしいし、市町村の窓口に聞けば、その地域の状況くらいは教えてもらえるはずだ。

完璧な体制がどこにでもある、という話ではない。ただ、「ゼロか無限か」の二択ではなくなっている、という事実だけは、覚えておいて損はないと思う。

A型・B型から進む人にとっての意味

この制度の対象には、就労継続支援を利用して一般就労した人も含まれる。つまり、A型やB型から次に進む人のことも、想定内で用意されているということだ。

「そろそろ次に進みませんか」と言われた日のことに書いた通り、勧められる側の不安の多くは「進んだあとの孤独」にある。その孤独への答えのひとつが、制度として用意されている。

答えになるかどうかは、人による。ただ、ゼロからの出発ではなく、橋が一本架かっている状態からの出発なのだ、ということは、知っておいていい。

半年目の区切りを、怖い日ではなく確認日にする

対象になるのが就労継続期間が6ヶ月を経過した人、という条件もある。半年という数字は、新しい職場にとって最初の大きな関門になる時期でもある。

その関門に差しかかったとき、「支援が切れる日」として恐れるのではなく、「何が支えになっていたかを確認する日」として使うことができる。残したい支援のリストは、働き始めたら支援が終わる、と思うと怖いにも書いた通りだ。

確認の結果、定着支援を使わないと決めてもいい。使うと決めてもいい。どちらにしても、選んだ記録だけは、自分の中に残しておきたい。

同じ先を考えている人へ

作業所に通いながら、「次に行ったら、私はひとりぼっちになる」と想像して固まることがある。その想像は自然なものだと思う。実際、環境は大きく変わる。

ただ、想像の中の世界は、いつも少し昔の制度のままだ。月1回の面談という小さな仕組みひとつ取っても、想像と現実のあいだには、いくらかの段差ができている。

段差が小さいうちに、名前だけでも覚えておく。それが、今日このページでできたことだ。

就労定着支援とジョブコーチ支援を制度面から比較したいときは、就労アトラスの職場定着支援・ジョブコーチとは?があります。ここでは使う側の気持ちだけを置いておきます。

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